科学のしくみ / 10問

止まる・滑るを見分ける摩擦クイズ

公開 2026-10-11 更新 2026-10-14

手足の下に小さな布を敷き、床をすべりながら掃除するマスコット。
第1問へ
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机の上で本を滑らせたり、床の箱を押したりすると、すぐ動く場合と、力を入れても止まったままの場合があります。どちらにも関わるのが、接している面の間に働く摩擦です。このクイズでは、止まっているときと滑っているときを分け、力の向き、大きさの変わり方、材質との関係を10問で考えます。前半は本や箱の様子を手がかりに、後半は条件をそろえた比較へ進みます。数値の問題では、力の単位N(ニュートン)も紹介します。摩擦は複雑な現象なので、単純なモデルで考える問題では、その条件も確かめながら答えてみてください。

このクイズで考えること

  • 静止摩擦と動摩擦を区別する
  • 摩擦の向きを接触面のずれから考える
  • 表面と押し付ける力を分けて比較する
図と読み物で振り返る

答えを選ばずに、解説だけを読むこともできます。

問題の一覧から選ぶ

選択肢を1つ選んで、答えを確かめてください。解説だけを開いて読むこともできます。

第1問 / 10問

机に接する本の摩擦力は、基本的に何を妨げる力?

第1問の選択肢
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答え:本と机の間のずれや、ずれようとする動き

摩擦力は、接している面どうしのずれや、ずれようとする動きを妨げる力です。机の上の本なら、本と机が接する部分で働きます。本を地球が引く力は重力で、摩擦力とは別の力です。どの面とどの面の間の力なのかを先に決めると、身近な場面でも力の役割を整理できます。

第2問 / 10問

床の上の箱を水平に押しても、箱が滑らず止まっている。このとき滑り出しを妨げる摩擦は?

第2問の選択肢
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答え:静止摩擦

押されても床に対して滑っていない箱には、静止摩擦が働いて滑り出しを妨げます。「静止」は、接している面どうしがずれていないことに注目した名前です。摩擦は滑っている物体だけに働くわけではありません。動きが見えない場合にも、押す力を打ち消す力があるかを考えてみましょう。

第3問 / 10問

箱が床の上を滑っている間、床と箱の間に働く摩擦は?

第3問の選択肢
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答え:動摩擦

床に対して箱の底面がずれているときの摩擦を、動摩擦と呼びます。ここでは転がる車輪でなく、箱が滑る場合を考えています。動摩擦も接している二つの面の間の力で、箱が床に対して滑る動きを妨げます。箱を押す手の力や下向きの重力とは、働く理由も方向も区別して考えることができます。

第4問 / 10問

静止した水平な机の上を、本が右へ滑っている。机から本への摩擦力の向きは?

第4問の選択肢
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答え:左向き

机に対して本が右へ滑ると、机から本への摩擦力は左向きになります。接触面に沿って、面どうしのずれを妨げる向きに働くためです。上向きに本を支える力は垂直抗力で、摩擦力とは別に描きます。「物体の進む向き」と「摩擦力の向き」を分けると、滑る本の力を見つけやすくなります。

滑る本と、本が受ける摩擦力の向き

静止した水平な机に対して本が右へ滑ると、机から本への摩擦力は左向きです。左右の関係だけを示す自作の模式図で、重力と垂直抗力は省略しています。矢印の長さは速さや力の大きさを比べるものではありません。

第5問 / 10問

水平な床の箱を右へ4 Nで押しても静止している。水平方向には押す力と摩擦力だけが働くとき、箱への摩擦力は?

第5問の選択肢
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答え:左へ4 N

箱が静止を続けるなら、水平方向の力はつり合っています。手で右へ4 Nの力を加えると、静止摩擦が左へ4 N働き、合計の力がゼロになります。Nは力の単位で、ニュートンと読みます。静止摩擦の大きさは、いつも決まった最大値になるのではなく、その範囲内で必要な分だけ変わります。

第6問 / 10問

最大静止摩擦力が10 Nの箱を、静止した状態から水平に12 Nで押します。水平な力は押す力と摩擦力だけなら、箱は?

第6問の選択肢
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答え:滑り出す

最大静止摩擦力が10 Nなら、静止摩擦で12 Nの押す力を打ち消すことはできず、箱は滑り出します。最大という言葉は、静止を保つために出せる摩擦力の上限を表します。押す力に合わせて際限なく大きくなるわけではありません。滑り出した後は動摩擦の場面になり、重力も引き続き働きます。

静止摩擦には上限がある

最大静止摩擦力が10 Nの箱を水平に押す例です。4 Nなら静止摩擦4 Nとつり合って静止できます。12 Nは上限10 Nを超えるので滑り出します。他の水平な力がない条件での自作比較図です。

第7問 / 10問

乾いた固体の同じ面どうしを、同じ強さで押し付けます。多くの場合、滑り出す直前の最大静止摩擦力と、滑っている間の動摩擦力ではどちらが大きい?

第7問の選択肢
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答え:最大静止摩擦力のほうが大きい

多くの乾いた固体の組み合わせでは、同じ強さで面を押し付けると、最大静止摩擦力のほうが動摩擦力より大きくなります。重い箱が動き始める瞬間に、より強く押す必要があるのはその一例です。ただし、これはすべての材質で成り立つ断定ではありません。また、小さな力で止まっているときの静止摩擦そのものとは区別します。

第8問 / 10問

乾いた同じ箱と床で、箱の上に荷物を載せてから滑らせる。単純な摩擦のモデルでは、動摩擦力はどう変わる?(水平な床で、押す力も水平)

第8問の選択肢
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答え:大きくなる

荷物を載せると床に押し付ける力が増え、床が箱を支える垂直抗力も大きくなります。同じ面の組み合わせに単純な摩擦のモデルを使うと、動摩擦力はこの垂直抗力に比例して増えます。水平にだけ押す条件なので、押す手による上下方向の力は加えません。摩擦は材質だけでなく、面を押し付ける強さにも関係します。

第9問 / 10問

単純な摩擦のモデルで、同じ強さで面を押し付けながら滑らせても、材質の組み合わせにより動摩擦力が変わることがあるのはなぜ?

第9問の選択肢
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答え:面の性質によって摩擦の係数が違うから

摩擦の係数は、接している二つの面の性質を表す値です。木と木、金属と木など、組み合わせが変われば同じ押し付ける力でも動摩擦力が変わることがあります。片方の材質だけで決まる値ではないことも大切です。実際には表面の状態にも左右されるため、どの面どうしをどの条件で比べた値なのかを確かめて使います。

第10問 / 10問

固体の表面の凹凸を小さくすれば、摩擦は必ずゼロになる?

第10問の選択肢
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答え:必ずゼロになるとはいえない

摩擦は目に見える凹凸だけで説明できる力ではありません。接する面の分子どうしが引き合う働きも関係するので、表面がとても滑らかでも摩擦がなくなるとは限りません。凹凸を小さくすることと、あらゆる摩擦を消すことは同じではないのです。滑りやすさを考えるときは、表面の形だけでなく材質や面の状態にも注目できます。

図と読み物で振り返る

表面の違う二枚の板と同じ形の小さなブロックを見比べるソクポン。
表面の組み合わせを比較する場面です。見た目の粗さだけで摩擦の大きさは決まりません。

止まっているときにも摩擦は働く

机の上の箱を軽く押しても、動き出さないことがあります。このときは、箱と机の間の静止摩擦が、ずれようとする動きを妨げています。止まっているから力がないのではなく、押す力と摩擦がつり合っている場合があるのです。

押す力を増やすと、静止摩擦も上限まではそれに応じて大きくなります。上限を超えると箱が滑り出し、動摩擦を考える場面になります。同じ接触面でも、「滑り始めるまで」と「滑っている途中」を分けて見ることが大切です。

摩擦は、いつも進む向きの反対?

滑っている箱では、摩擦は箱が机に対して滑る向きの反対に働きます。一方、歩くときには足が地面を後ろへ押し、地面から足へ前向きの摩擦を受けます。摩擦は動きを止めるだけでなく、前へ進むことも助けています。

向きを考えるときは、接触している二つの面がどうずれるかに注目します。「物体が進む向き」だけでは決められません。また、滑らかに見える面にも摩擦があります。表面の細かな凹凸だけでなく、接触する物質同士の引き合う働きも関係するからです。

変える条件を一つに絞る

小さな空の箱を、机と布の上で静かに動かして比べてみましょう。同じ箱を使い、底面を変えずに比べれば、相手の表面の違いに注目できます。押し始めの動き出しやすさと、滑り続けるときの感触は、分けてメモします。

次に同じ表面で箱の中身を増やすと、押し付ける力の影響を考えられます。一般的な乾いた面の簡単なモデルでは、この力が大きいほど摩擦も大きくなります。机から落ちない範囲で軽い物を使い、結果はその箱と表面の組み合わせについての観察として残しましょう。

参考にした資料